100辞書・辞典一括検索

JLogos

20

築島
【つきしま】


県の最南端,串間市市木の市木浦(市木湾)の湾口に位置する有人島。日南海岸国定公園に属する。周囲2.20km,標高102.2m,面積0.24km(^2)。昭和39年離島振興法の指定を受けている。対岸の舳(へた)集落から約500mで,船の連絡がある。世帯数・人口は24・96(昭和55年国勢調査)であり,市木小学校築島分校がある。島名は,明治初期,当島を61円で買収し,最初に居住した四国宇和島の漁師,築島藤吉氏の名に由来する。「日向地誌」には「相ケ崎ヨリ東ニ当リ海岸ヲ距ル四五町海中ニアリ高十四五丈周囲十七町二十間,島民一戸人数男三口女三口島内ノ地ヲ開墾シテ麦甘蔗蕃藷ノ類ヲ種テ生業ヲナス」とある。日南市油津から築島までの海岸や島は,地質的には宮崎層群の基底礫岩や砂岩からなる。築島は新生代第三紀宮崎層群にほとんど覆われ,東側は硬い砂岩で外海に面し,高さ50m前後の海食崖となっている。中央部は礫岩が多く,西側のみ四万十累層群上部(日南層群)の砂岩頁岩互層からなる。西側にわずかにある平地に漁業集落が立地し,生活用水は対岸から海底のパイプで送水されている。島全体にビロウの原生林が生い茂り,葉は団扇や菅笠の材料に利用される。ビロウ林は県天然記念物候補である。周辺の海底には海藻が繁茂し,棘皮動物のウニ・ナマコなどが生息している。魚種も豊富で釣場も多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7235466