100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

野別府
【のびゅう】


旧国名:日向

(近世)江戸期の広域地名。日向国児湯(こゆ)郡のうち。北は耳川河口左岸から南は小丸川に至る地域で,東は日向灘に臨む。高鍋藩の地方支配のための地域名で,城付地の新納院13郷27か村のうち6郷が属している。なお,中世では「日向記」に長禄元年伊東祐尭が戦勝地として財部(たからべ)土持氏から受け取った10か所の城に野別府の城が見え,「土田帳」には弘治2年美々津立岩大明神領として「一所野別之内代か原弐反小,同所奥,田壱反,同所松くき田壱反やしき一ケ所」と記されている。また天正19年の「日向五郡分帳」に野別府50町とある。新納院13郷27か村は元禄14年7月に改組されて新納代官と野別府代官の2名の代官の支配下となった。野別府代官の支配地は川北郷・川南郷・高城郷・石河内郷・平田郷・鴨野郷の6郷で,これらを総称して野別府6郷(村)という。野別府6郷のうち川北郷・川南郷は合わせて野別府両名とも呼ばれ,これに対し他の4郷は合わせて中通という。現在の日向市南端部,都農(つの)町,川南町,高鍋町北東部,木城(きじよう)町中・東部に比定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7235743