鬢垂島
【びんだれじま】

県南部，串間市の志布志(しぶし)湾内にある無人の小島。日南海岸国定公園に属する。周囲約１km，標高38.0m。一里崎（串間市）の西方約１km，弓田浜の南西約500m沖に位置する。満潮時には２島となり，干潮時には１島となる。島名の由来については定かでない。「日向地誌」によれば「下弓田ヨリ南ニ距ル五町許海中ニアリ分テ二島トナル　其南ナルヲ洋ノ鬢垂ト云周囲五町三十間北ナルヲ地ノ鬢垂ト云　高八九丈周囲六町四十間島中ニ畦圃アリ　泉モ亦湧ク　潮来レハ二島ノ間漁舟ヲ通スヘシ　潮去レハ島根相連接シテ一島ノ如シ」とある。陸地に近い島を地のびんだれ（通称地の島），沖の方にある島を沖のびんだれ（通称沖の島）と称している。沖のびんだれに灯台がある。地質的には新生代第三紀日南層群の硬い砂岩からなりたっている。地のびんだれ・沖のびんだれ両島の東側には，タイやハマチの養殖生けすが置かれ，近くにテトラポッドの消波堤が築かれている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7235900