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深年川
【ふかどしがわ】


九州山地の掃部(かもん)岳(1,223.4m)周辺を源流域とし,東諸県(ひがしもろかた)郡国富町を東流する1級河川。大淀川の1次支流で全長27.8km,流域面積101.1km(^2)。掃部岳周辺にスケールの大きいV字谷を刻んで流れる。流域には照葉樹の原生林が多く九州中央山地国定公園に指定されている。かつては森林軌道が敷設され良材の産出も多かった。川の谷口部分に日本三薬師の1つ法華岳薬師がある。和泉式部伝説にゆかりの場所で,薬師如来像は県文化財。最近国富町の手で周辺の公園化が進められつつある。川沿いにはキャンプ場も設けられている。法華岳地区からは段丘や小規模な沖積平野をつくりながら東流する。左岸に広がる薩摩原(さつまばる)台地は,大正期以降の開田事業が難渋したところとして知られる。下流域では本庄台地の北縁を流れ沖積平野が広がる。キュウリ・カボチャなど国富町の施設園芸農業団地の1つとなっている。木脇塚原地区で本流に注ぐ。小河川の割に支流が多く,三名(さんみよう)川・後(うしろ)川など8本がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7235905