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方財島
【ほうざいじま】


県北部,延岡市方財町にある島。延岡市を貫流し,日向灘に注ぐ五ケ瀬(ごかせ)川河口右岸に位置する。南北約1.5km,東西約500m,標高10.1m,面積50ha(砂浜を含む),市街化区域30ha。「日向地誌」によれば「元禄十五年 日向五郡村形覚書ニ本村ノ名号見エス 蓋シ元岡富村ノ字地ニシテ元禄ノ後一村ヲナセシト想ハル」とある。地名の由来については不明。昭和55年の国勢調査では386世帯(1,485人)が居住。形態は砂嘴状であり,島の南対岸の長浜に続く砂州のくびれた地域は,過去,五ケ瀬川によって離れたり,陸続きになったりした。現在は,排水路の働きをする新河口と堤防が建設され,鷺島を経て橋で結ばれる。当島は,地質的には沖積層(新生代第四紀完新世)からなり,地形的には砂浜海岸と砂丘で構成される。地理的位置などからも,島は五ケ瀬川の営力と日向灘の海波・風の営力で形成されたと推定される。島の海側の標高8~10mの砂丘は狭いが,標高6~8mの平坦な地域はやや広く,これは浜堤を起源とするものと思われる。島の表層は砂,その下に砂礫層があり,これは五ケ瀬川・祝子川などが形成した延岡平野(扇状地性三角州)が土台となって,砂浜・砂丘が発達したものであろう。島の西側に昔からの漁業集落が密集し,集落の北東に小さな船溜がある。島名の由来は不詳。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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