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硫黄島
【いおうじま】


鬼界ケ島ともいう。枕崎市の南約50kmの東シナ海上にある島。周囲18.5km・面積11.8km(^2)。最高地点は硫黄岳の703.7m。安山岩と溶結凝灰岩からなり,霧島火山帯に沿って噴出した海底火山の1つで,鬼界カルデラの中央火口丘に当たるといわれ,今も噴煙を上げている。鬼界ケ島の別称は硫黄で黄色に染まった海面の色から「黄海ケ島」が変じたという説がある。硫黄島の硫黄採掘は藩政時代から行われ,対琉球貿易の主要輸出品の1つであり,昭和39年価格の急低落で中止されるまで,この島の唯一の産業であった。基幹産業を失った現在,零細な農・漁業と土木事業の労務賃金しかないため,人口は激減し,世帯90・人口198(昭和55年)になっている。今は鮮魚の貯蔵施設を整備し,水揚げの増収をはかる努力をしている。島にはリュサキュウチクの大群落やクロマツ・ガジュマル・ビロウなどが生育し,史跡として平家の落人墓地や流人俊寛にまつわる熊野神社・俊寛堂などがあり,瀬釣・硫黄岳火口登山,温泉など観光資源に恵まれているため,民間のさつま硫黄島空港と関連のホテルがオープンした。港は南向きの天然の良港に恵まれ,鹿児島港まで海路108km,途中竹島寄港を含め平均6時間の航程である。鹿児島郡三島村に属する島で,村役場は鹿児島市にある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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