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伊作川
【いざくがわ】


日置(ひおき)郡吹上町の中央部を東から西へ貫流する河川。延長13.3km・流域面積31km(^2)。西薩海岸と鹿児島湾岸との分水界をなす柳ケ谷の伊作峠近くの谷に源を発し,西流して,藤元で駒田川,中之里で吹上温泉郷を流れて西流する湯之浦川,河口に近い吹上浜海岸砂丘帯で下戸川を合わせ,入来浜で海に注ぐ。上中流域は,300~400mの中生代四万十層群に属する堆積岩の山間部を埋めたシラスを開析,流路に沿う谷底には,溶結凝灰岩の露出するところが多い。流れは一般に急で,早瀬が多く,平地に恵まれない。集落は山麓に付着した河成段丘上に発達するものが多い。古くからこの谷筋には,吹上海岸地方と鹿児島を結ぶ伊作街道が通じ,現在,主要地方道谷山伊作線が通る。川が下流の低いシラス台地地帯に入ると,下与倉・伊作の小盆地が開ける。伊作は古く伊作島津の居城の跡で,藩政時代外城が置かれ野町もあった。今も吹上海岸地方の中心地である。河口の入来浜は,藩政時代からの浦浜で,今は第1種漁港である。鯛漁が多く,吹上浜県立自然公園の名勝地で,観光地引網や海水浴場がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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