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指宿平野
【いぶすきへいや】


薩摩半島南部の鹿児島湾口に面する沖積平野。鬼門平(おんかどびら)から大山崎にかけての北西―南東方向の構造線を覆った輝石安山岩・シラスの丘陵を浸食して東流する二反田川・湊(港)川および小河川によってつくられた。山麓の小さな扇状地,10m前後の更新世の段丘と河川沿いの沖積地,海岸沿いの浜堤よりなっている。二反田川南の浜堤を中心とした地域に指宿市街地がある。北東の魚見岳は輝石安山岩の急崖をみせ,指宿カルデラ外壁が切り離されたものである。二反田川下流北部には,浜堤との間に湿地が広がっていたが,埋立てなどによる宅地造成が進行しつつある。魚見岳東麓の田良岬から知林ケ島にかけては干潮時は砂州が延びて陸繋島化される。平野の海岸寄り一帯に温泉が湧出し,泉源数は727口(昭和55年)の多きを数える。摺ケ浜にはホテル・旅館が立ち並び,海岸の砂蒸しといわれる砂浴場は他に例をみない。温泉湧出量の豊かさは利用の多角性を生み,ナス・スイカ・メロンなどの園芸農業,ヤシ類などの観葉植物,コイ・ウナギ・テラピア類の養殖も盛んである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7236641