100辞書・辞典一括検索

JLogos

15

牛尾川
【うしおがわ】


大口市を流れる小河川。国見山脈の山腹に源を発し,南西に流れて北に鳶巣山,南に高熊山の間を縫い,下牛尾の水田を潤して羽月川に流入する。延長6km。上流域には全国的に有名であった牛尾金山がある。当河川流域の金鉱の小規模な採掘は明治27年からだが,本格的な採鉱は明治34年からで,日露戦争のころは日本一の金山と称された。その後製錬場が建設され,産金量月産100kg,従業員900名を数えることもあったが,何回かの中止再開の後,今は休業状態である。鉱毒による公害問題もしばしば起こっている。汚水による水田の被害は明治34年に始まり対策として鉱毒の沈殿堰をつくる一方,春村川の流水を導入する工事が竣工した。第2次大戦後,大型製錬所の再建操業で再び広範囲にわたる水稲被害が発生し,稲作農家の死活にかかわる問題となった。鉱業所側でも多額の被害補償を行う一方,具体策として導水管の布設・沈殿槽の設置などに取り組んできた。導水管は現在も牛尾川の流路沿いにそのままの姿で残る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7236710