大川
【おおかわ】

日置(ひおき)郡日吉町を流れる河川。延長8.9km・流域面積14.8km(^2)。町中央部を占める鐘掛山の東麓，草見の水田に源を発する。向江山と矢筈岳・諸正(もろまさ)岳の間の谷を北流，毘沙門で１支流を合わせ，西流し，城山で南流し，城山・向江山の間を抜ける。さらに河口近くで山之口川・森護川を合わせ，帆ノ港の南で海に注ぐ。森護川は，河口を吉利海岸砂丘に阻まれ，砂丘裏を北上して合流する。下流水田地帯の粘土は，良質の瓦原料を提供，日吉町にある20余の瓦工場は，県下第一の生産量で，良質の日置瓦を生産する。河口の帆ノ港は，「地理纂考」によれば，「古老ノ口碑ニ島津忠久始メテ下向ノ時乗船此所ニ着シ爰ニテ帆ヲ卸シケル故帆ノ湊ノ名アリ」とあり，藩政時代栄えた港であったという。現在，河口付近は，吹上浜県立自然公園に属する。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7236809