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蒲生川
【かもうがわ】


薩摩郡祁答院(けどういん)町と姶良(あいら)郡蒲生町の境にある矢止岳の南麓に源を発して南流する河川。同郡入来(いりき)町と蒲生町の境にある瀬戸平山の東麓から,田平川を合わせながら東流する前郷川を合流し,約4.5km東流した地点で山田川を合流して別府川に注ぐ。上流から,漆の小盆地,輝石安山岩山地を刻む谷,山腹の溶結凝灰岩の崖と河岸段丘,米丸の円弧状盆地,蒲生の町並みが立地する段丘などと変化に富んでいる。前郷川と田平川はともに,山腹に溶結凝灰岩の崖の続く谷を刻んで流れ,合流地点である中福良付近は広い水田地域となっている。白男・竜ケ山・米丸の河岸には温泉が湧き,地域住民の湯治場となっている。前郷川の久末下瀬戸には,有効落差37m・最大出力104kwの九州電力の発電所もみられる。農業用水の主な取水箇所と受益面積は,後郷川が14か所・124ha,前郷川が5か所・105ha,田平川が2か所・31haとなっている。三池原から船津下にかけて緩やかに蛇行する蒲生川の両岸には河岸段丘が発達し水田地帯となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7237156