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神瀬
【かんぜ】


鹿児島郡桜島町に属する島。桜島町赤水の西1.7km,鹿児島市甲突川河口の東2kmの鹿児島湾上に浮かぶ。周囲約1km,面積は国有地3万2,515m(^2),県有地476m(^2)。ここは元来干潮時は海面に現れ,満潮時は海中に没する瀬であったが,文久3年7月の薩英戦争に際し,英艦の侵寇に備えて藩主島津忠義が命じて周囲に石を積み,台場を築かせた。しかし大正3年の噴火で大隅半島との間の瀬戸海峡が溶岩の流入で埋没し,鹿児島との海峡も狭められたため,鹿児島と桜島の赤水溶岩との間の潮流が激しくなり,噴火前と比較して満潮と台風が重なれば約3mも海面が上昇するため,波浪による浸食が激しく,堤で囲った台場は残っていない。今は紅色の円形コンクリート造り,光達距離24km,灯高18mの神瀬灯標だけがあり,鹿児島入港の船舶には重要な目標となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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