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黒島
【くろしま】


鹿児島郡三島村に属する島。薩摩半島の南端,枕崎市の南西55kmの東シナ海上に浮かぶ。周囲18km・面積15.7km(^2),最高地点は櫓(やぐら)岳の621.9m。新第三紀の安山岩からなり500m級の山が連なり,海岸線は断崖絶壁で,いたるところに海に注ぐ滝が見られ平地は少ない。島の周囲は明治28年カツオ漁の漁船200艘余,713人の遭難者を出した「黒島流れ」の地域で,台風常襲地帯である。防災営農として櫓岳の斜面を利用した肉牛飼育中心で,240頭程度飼育され,耕地は田1ha・畑17ha・ミカン園1haしかなく,甘藷・サトイモ・ジャガイモなど自給程度のイモ類が多い。生計は道路・港湾の土木事業の労務賃金と主婦の紬織り,パルプ材の切出しなどである。島の西側の片泊には壇ノ浦の合戦に敗れた平家軍の一団が築いたと伝えられる平家城跡があり,また,草垣島にかかって沈む夕日が自然現象により緑に見えるすばらしい景観の地である。島へは鹿児島からの村営船「みしま」が月間8航海する以外に交通機関はなく,途中竹島・硫黄島に寄港するため海路約150km,7時間を要する。旅館は大里に4軒,片泊に1軒ある。村役場は鹿児島市にある。




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「角川日本地名大辞典」
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