桑島
【くわじま】

阿久根市に属し，阿久根港の沖約3kmの東シナ海に浮かぶ無人島。鹿で知られる阿久根大島の北約500mに位置し南北に細長い。周囲約1500m・最高地点40m。海岸は約10ｍの崖をなし島の大部分は20～30mの台地状をなす。本島の近くを平家の落人が船で通りかかった際，海賊が襲いかかり５人を殺し黄金の壺をうばったところ落人の霊魂が大蛇となり，海賊を皆殺しにしてしまったという言い伝えがあり，それ以来，大蛇がすむ島として信じられてきた。これは，阿久根大島や桑島の島影を利用して行われていた密貿易に関係があると思われ，桑島を密貿易品の，隠し場所として利用していたため，人々を島に近づけないようにつくられた話ではないかと考えられている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7237438