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小杉谷
【こすぎだに】


熊毛郡屋久町にある谷。安房川上流の標高640m付近にある。北は愛子山から高塚山を経て宮之浦岳に至る稜線,南は太忠岳から石塚山を経て黒味岳に至る稜線に囲まれる。屋久スギ原生林の宝庫であった所で,大正12年下屋久営林署小杉谷事業所が開設され,翌年,安房から森林軌道が敷設されてから屋久スギ伐採の拠点となった。最盛期には,133世帯・人口540人,小学校・中学校各1校,商店4軒を数える(昭和35年)村落をなした(行政上は上屋久町小杉谷)。しかし,伐採事業の拡大とともに,山容は変わり,小杉谷周辺には屋久スギを見ることができなくなった。小杉谷事業所も昭和45年8月閉鎖され廃村になって,「屋久杉と共に」と刻まれた記念碑が残っている。藩政時代は,愛子山,法掟(はつしよ)山,御建(おたて)山,お止め山とも呼んだ。天正14年,島津義久が「屋久島掟条々」を発し,小杉谷一帯を禁伐林として島民の立入り,屋久スギ伐採を禁止し,京都方広寺建立用材の採取を始めたことによる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7237548