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鹿浦川
【しかうらがわ】


古くは鹿川と呼んだ。徳之島の南部,大島郡伊仙町を流れる河川。犬田布岳山系に水源を発し,東シナ海に注ぐ。延長7km。下流一帯は琉球石灰岩の峡谷をなし,交通の障害となっていたが,河口は裾礁が切れているので,天保14年,急崖に道を通じ,港を開いて鹿浦とした。鹿浦はやがて隣接する瀬田海の港をしのいで,砂糖積出港として栄えたが,本土復帰後(昭和28年),陸上交通が整備されると港としての機能を失った。中流部には伊仙用水路の取水堰があって,阿三・伊仙の水田を潤したが,現在用水路は使われていない。今は,取水口の上流の馬根に,県営畑地帯総合土地改良事業として堤高29m・堤長190m・総貯水量121万m(^3)の傾斜コア型アースダムを建設中である。この伊仙中部ダムは島最大の規模で,300haの畑地灌漑を行うとともに,島で最も飲料水問題に悩む伊仙町の水不足を解消するものとして期待されるが,完成は,ダム本体が昭和60年度,導水路などは未定である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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