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摺ケ浜
【すいがはま】


指宿(いぶすき)市南東部,市街地にある海岸。指宿温泉の中心になるのが当浜であり,旧偕楽園跡には「畑掘れば畑に出湯畑に湧き,磯掘れば磯にも湧き出る指宿の里」と詠んだ歌人菊池幽芳の歌碑がある。この歌にもあるように泉都指宿は東西2km・南北4kmの間約5,000haで温泉が湧き,全国一の湧水量をほこり,昭和40年頃から全国的な温泉観光都市として急速な成長を遂げている。殿様湯・砂蒸しや,摺ケ浜温泉などは古い自然湧水の温泉である。第2次大戦前から戦後間もない頃までは湯治温泉として利用されていたが,昭和31年摺ケ浜の南接台地に指宿観光ホテルが建設されたのをはじめとして,ホテルや旅館がつぎつぎと海岸に建設され,近代化が進んだ。温泉も多数掘削され浴用として利用されているが,摺ケ浜を中心に南北1kmにわたる砂浜には,泉都指宿を代表する天然砂蒸し温泉がある。潮の香漂う海岸で浴衣に着がえ砂の中にすっぽり体をうめる砂浴は,まさに天然のサウナ,摺ケ浜ならではの旅の情緒が味わえる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7237939