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鑪池
【たたらいけ】


肝属(きもつき)郡高山(こうやま)町後田(うしろだ)にある用水池。高山町の後田中原と永野の間の谷間につくられた池。後田地区・論地地区・宮下(みやげ)地区の一部の水田を灌漑する。灌漑面積は60ha余で,貯水の満水時は,水面の面積は350aに及ぶ。創設の年代は明らかでないが,明和9年に修築した碑があるので,創設はそれ以前であることは明らかである。碑文によると創建は詳らかでないが,後年荒廃して貯水の用をなさなかったことが久しく,明和9年にこれを修築した。しかし,11年を経て天明2年にまた決壊した。これに対し人々は修築しても成功はし難いとして,これを廃止することにした。ところが後田村・宮下村はもともと水利に乏しく,旱魃に遭うことが絶えなかった。そのため安政6年,藩主島津斉彬の命により修築工事に着手し,翌万延元年工事はめでたく完成した。今日においても鑪池は,高山町にとって極めて重要な用水池である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7238191