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手打湾
【てうちわん】


薩摩郡下甑(しもこしき)村にある湾。下甑島の南端に位置する。湾頭に2kmにわたる数列の砂丘がある。古砂丘上には弥生遺跡と旧郷士の麓集落が立地する。現在役場・郵便局・小学校などの公共施設がこの地区にみられる。現世砂丘上(本町地区)に在集落(農業)がみられるのと対照的である。天明の大飢饉の際麓郷士47名が大隅半島富ケ尾に移住した。また当湾東部にトンボロによる手打港がある。断層によって生じた海峡部の西側が手打湾沿いに東流する反時計回りの沿岸流によって土砂が運ばれ,津口鼻地塊との間がふさがれ形成されたもの。この砂堤上に浜集落(漁業)が立地する。明治22年の台風,昭和26年のルース台風の際この砂州の廊下部が切断。今では湾に面して弧状の防潮堤がめぐらされている。明治31年より採取が開始されたサンゴ漁は明治42年には県外から入稼船200隻を超えサンゴ景気にわく。サンゴ漁は大正15年頃まで続いた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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