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唐船峡
【とうせんきょう】


揖宿(いぶすき)郡開聞(かいもん)町の北部,池田湖外輪山南麓に位置する豊富な湧水のある峡谷。昭和37年に,峡谷にそびえ立つスギの大木群の根元から大量に湧出する清冽な水を利用する独特のソーメン流しを町の事業として開発して以来,観光地として知られるようになった。湧水は池田湖水の浸透水といわれ,湧水源の標高50m,池田湖の水面標高66mで標高差は16mある。湧水量は1日10万m(^3)で年中ほとんど変化がなく,谷間に豊かな流れをつくっている。水温も13℃で年中変化はなく,真夏でも手がしびれるほど冷たい。昭和47年には湧水谷へ無料のエスカレーターが設営され,谷間に下りると南国の真夏でも汗がひくほど清涼である。また,数万のコイ・ニジマスの遊泳する清流の上でのソーメンの味は格別で,年間利用者は約30万人を超え,南薩の観光の拠点として,憩いの場所となっている。500台収容の大駐車場もある。その昔,この地方が奥深い入江であったころ,唐船が出入していたという伝説から,昭和39年に地名の唐船ケ迫にちなんで命名された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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