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徳之島
【とくのしま】


奄美諸島に属する島。「続日本紀」に度感とある。奄美大島と沖永良部島との中間に位置する。鹿児島市から468kmの海上にあり,周囲84km・面積248km(^2)で南北に細長いほぼ長方形の島。大島郡天城町・伊仙町・徳之島町からなる。中世代の輝緑岩類・古期花崗岩質岩類,古生代の名瀬粘板岩凝灰岩層・新村粘板岩類を取り囲むようにして特に南東部・南西部に隆起珊瑚礁からなる海岸段丘が発達している。南部の段丘面には散村が立地している。井之川岳が最高地点で標高645m。年平均気温21.3℃で亜熱帯気候。ガジュマル・アコウ・アダンなど亜熱帯樹が繁茂する。主産業は畑作を主とする農業で,換金作物のサトウキビ・サツマイモなどを栽培する。文政14年から明治6年まで,奄美大島・喜界島とともに鹿児島藩の黒糖工場化し,農家は作った黒糖を全部藩庁に納め,藩の建値で衣食住資材・生活用品などと強制交換させられていた。肉用和牛の多頭飼育を中心とする畜産も盛んで,これに関連する闘牛は本島の観光の中心であり,同時に島民の最大の娯楽でもある。カツオ節製造業など水産業もあり,大島紬も産する。奄美大島同様,国特別天然記念物のアマミノクロウサギが生息する。ハブも生息して島民の生活の多大の障害となっている。仙竜洞・銀竜洞などの鍾乳洞,戦艦大和戦没者慰霊塔がある犬田布岬,手々自然公園など観光資源にも恵まれている。西郷隆盛の流謫地の1つでもある。西岸に平土野(へとの)港,東岸に亀徳港があり,鹿児島市との間に定期船がある。空港は平土野にあり,定期便がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7238395