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中甑島
【なかこしきじま】


川内(せんだい)市の25.5km西方海上にある島。上甑島と下甑島との中間に位置する。上甑島・中甑島・下甑島の3島合わせて甑島列島という。東の平良にのみ集落がみられる。薩摩郡上甑村に属する。現地では中甑島という呼称はなく,単に平良というのが普通で,ときに平良島という。昔,上甑島といえば上甑本島と中島と平良(平良島)の3島からなっていた。ところがこの3島は干潮時に陸続きとなるところから1島とみなされていたのであろう(上甑島郷土誌)。島の中央に木之口山があり,地質は一部観音瀬崎付近の右方三系砂岩を除けば中生代白亜紀の頁岩層からなる。海岸は海食崖が発達している。東部の平良港は本来潟湖であったところ,寛政11~13年にかけて鹿児島城士長崎八右衛門隆近により掘削,港としたところである。港外に小規模ながらビーチロックが発達する。甑島列島のうちカノコユリが自生するのはこの平良島で,かつての土地割替制度の「共用切替畑」がその採取地である。毎年火入れ(11月)を行う慣習が残っているのもこの島だけである。また「磯割り」「嗣子別居制」(隠居)が残存する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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