海鼠池
【なまこいけ】

薩摩郡上甑(かみこしき)村にある池。東シナ海洋上に浮かぶ甑(こしき)島列島の上甑島にある甑四湖と呼ばれる湖沼群中で最大。湖表面積0.52km(^2)・最大水深23m・湖岸線延長６km，屈曲の度合いを示す肢節量2.33で，火口湖などと違った複雑な形をしている。当湖は島の屈曲の激しい海岸が，砂礫の供給と海流や波の作用によってせき止められて形成されたもので海側の砂礫州には凸凹はほとんどない。この砂礫州は長目の浜と呼ばれ，幅50～80m・延長約４kmにわたって延びている。他の３つの小湖沼もこの砂礫州で海から隔てられる。水位は潮汐の影響を受け，水質上は海水の浸入混合により汽水湖となっている。甑島は海岸の奇観に加えカノコユリなどでも知られ，観光客のためのユースホステル，国民宿舎などの施設がある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7238588