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枇榔島
【びろうじま】


曽於(そお)郡志布志町に属する。日南海岸国定公園に含まれる。志布志港の南約4.5km,志布志湾内に浮かぶ。周囲約4km・面積0.2km(^2),最高地点83mの小さな無人島。地質は第三紀層からなり小丘陵をなす。しかし海岸には多少の砂浜もあり,海水沿場・キャンプ場などに利用されている。島は暖かい黒潮に洗われ,その名の示すとおり全島ビロウが生い茂っている。ビロウのほかハマナタマメ・ハマアザミ・ハマビワ・ハチジョウススキ・マテバシイ・タブなどの暖地性植物が密生している。以前は島のビロウを利用して,ビロウ細工が土産品としてつくられていたが,いまは行われていない。昭和31年本島の植物は,ビロウをはじめ全部の植物が,国の天然記念物に指定された。夏季は志布志港から定期船が出るが,冬季はチャーター船しかない。本島は小島ながらも志布志湾に大きな変化を与え,またその植生は学術上価値があるばかりでなく,この地区の人々にとって大きな存在になっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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