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船間島
【ふなまじま】


川内(せんだい)川河口近くにある川中島で,現在川内市港町に属する。船津島と呼ばれたことがある。「地理纂考」に「此島初筥崎トイヒシヲ承応元年島津光久京泊ノ行館ヲ此所ニ移シテ船津島ト改メ其後マタ今ノ名ニ改ム」とある。周囲約2km・標高47.5m。安山岩からなる小島。伊能忠敬の測量日記文化7年8月23日によれば,「網津村ノ内船間島(浦と云,人家おほし)一周測一十四町三十六間云々」とある。昭和34年以来の川内港建設工事に伴う船間橋の架橋により,港町岩下と結ばれ,導流堤や工業用埋立地の建設によって,川内川右岸の湯島町と接続し,さらに,昭和56年10月,長さ631.2m,幅員8.75m,県内最長の川内河口大橋によって,川内川左岸久見崎町と結ばれる予定である。島は古くから開けていたと思われ,石器や土器の破片の出土をはじめ,島の西端標高20m余の寺山には,被葬者不明の古墳もある。藩政時代対岸は,北に鹿児島藩の重要商港京泊,南に久見崎の軍港を控えて繁栄し,唐人屋敷跡と伝える屋敷跡の石垣などが今も残る。現在戸数32戸,人口71人(昭和55年国調)で,島には水田はなく,わずかな畑だけで,漁業従事者も数名にすぎない。若者はほとんど島外に流出し,老齢者だけが多く残っている。島の北西部は,川村河口港の中心部を占め,水深4.5m・長さ600mで,500t級船舶の接岸できる岸壁が完成している。また島のほぼ中央部には祭神不詳の新田神社の支社船間神社がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7239000