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万之瀬川
【まのせがわ】


薩摩半島を流れる河川。延長約30km・流域面積381km(^2)。半島の脊梁部に当たる鹿児島市南西部の山地に源を発し,川辺(かわなべ)郡川辺町の盆地で麓(ふもと)川・永里川と合流し,加世田市に入って大谷川・長谷川・加世田川などの支流を加え加世田市万世(まんせい)で東シナ海に注ぐ。2級河川万之瀬川の本流である。川辺町を流れる間は,広瀬川とも呼ぶ。半島の河川では最大の規模である。当河川の最上流部には古く藩政時代からの錫鉱があり,島津家によって経営されてきた。現在でも錫器は鹿児島市の名産品となっている。本流が川辺盆地に流入する辺りを清水(きよみず)と呼んでいるが,ここには磨崖仏の史跡があり,県文化財となっている。この付近から水田地帯が広がり川辺町のはずれまで続く。川辺町は仏壇生産の町としてもよく知られ,町内には240か所にわたって関連事業所がある。加世田市との境界付近は狭窄部となっていて発電所が建設されている。またここでは河床にポットホール(甌穴)が形成されている。海に注ぎ込む前に,吹上砂丘を横切って大きく曲流する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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