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水成川
【みずなりがわ】


南薩台地中央部,揖宿(いぶすき)郡頴娃(えい)町辻風岡に源を発し,台地を貫流する河川。延長3.6kmの河川。川名由来については,「三国名勝図会」に「海口に三瀑相連る,其上流にある者は,高さ七尺許,其中間にある者は,高さ亦同し,其下流にある者は,高さ一丈二尺許,三瀑相距ること皆三歩許,此水勢甚盛んなり,常に鳴て遠く聞ゆ,因て水鳴川といへる」とある。河口付近には多量の湧水があるが,上流では梅雨期・台風時の降水時だけ流れる涸川となっている。上流の松永・摺木・蓮子などの集落は,水道敷設以前,井戸もなく天水や河床の溜り水を利用していた。水に恵まれない集落であったが現在では河口付近の湧水を上水道源にして,完全に水問題は解決されている。河口西側には大小の入江やプールがあり,イセエビなどの養殖が行われている。また,この付近の海岸から見る開聞岳の姿は,耳取峠(坊津町)からの遠望とともにその景観に優れ,伊能忠敬絶賛の地としても知られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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