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宮之城盆地
【みやのじょうぼんち】


県北西部,薩摩郡宮之城(みやのじよう)町を中心に広がる盆地。盆地内を九州第2位の長流川内(せんだい)川が貫流し,北には出水(いずみ)山地の1つ紫尾山塊が,南には薩隅山塊がひかえ,この二大山塊に囲まれた盆地である。出水山地の表層地質の大部分は四万十層(砂岩・頁岩)群からなるが,紫尾山頂の西側には中新世の貫入岩体の花崗岩が,周辺には接触変成岩が分布する。南部の薩隅山塊は安山岩質岩石が多い。盆地床は屋地商店街が岩石段丘上に,轟の瀬には溶結凝灰岩が露出する。穴川と南方川の合流地点から時吉にかけて比較的大きな沖積低地が見られる。また京塚原をはじめ宮之城高校周辺から舟木の一部にかけては,姶良(あいら)カルデラの噴出物であるシラスが堆積する。盆地の中心地は藩政時代から屋地であり,そこには麓や野町が置かれ,また藩米の保管倉庫であった米蔵も屋地の川原に置かれた。藩政時代における盆地内の新田開発は,元禄16年の一ツ木用水,明和8年の時吉用水にみられるように積極的に推進された。現在盆地内の農業は,米を第一に畜産・工芸作物(茶・桑)・果樹(ミカン)などの栽培が盛んである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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