赤離島
【あかばなりじま】

西表(いりおもて)島の北海岸，竹富(たけとみ)町高那小字北ヨシケラの北方海上約75mに位置する島。八重山諸島の１島。竹富町に属す。方言ではアハバナリ，鳩間島の方言ではガバナリという。面積0.01km(^2)・最高標高11m。「八重山語彙」では，この小島に接する西表島の岬をアカパナリザキィと呼んでいる。島名は，アハバナリは赤い離れ島の意味で，岩が赤みを帯びていることに由来する。ここからユツン川河口の沖合いまでは波が荒く，昔の大型船である三反帆船でも航行が難しかった。そのためリーフの岸辺沿いに掘られた航行用の溝が現在も残っている。この辺りは西表島西部地区の最も東側に当たり，西部の人々がここまで来るときは，網をくり舟に積んで魚やタコを獲り，赤離の洞窟アハバナリヌイリャーに寝泊りしたという。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7239588