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アギナミ島
【あぎなみじま】


沖縄本島中部,勝連(かつれん)半島の先端,勝連町平敷屋(へしきや)のカンナ岬の南にある岩礁。標高7.8mで琉球石灰岩からなる。地元ではアギンナイシという。アギンナの呼称はアギンナという漁法を用いた漁場だったことによるという。この漁法は集団で魚群を追い集め,あらかじめ用意した底網ですくいあげるものである。周辺のゴンジャン岩・冬至瀬(とんじせ)・オオマ岩などの岩礁付近も漁場である。岩礁の呼び名は字によって少しずつ違う。冬至瀬はニイの平島,フカ(外)トンジともいい,航路標識にもなる。沖縄本島東海岸の生活は風波との戦いであって,人々は台風や悪魔は東から吹いてくるものと考えた。台風の時はアギナミ島や周辺の岩礁を越える白波が立つ。現在は米海軍要港ホワイト・ビーチになっているが,昔の民間漁港は入江のない海岸線の白浜にあったので,これらの岩礁が自然の防波堤になった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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