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アトク島
【あとくじま】


西表(いりおもて)島西部,浦内川河口に屹立する島。方言ではアトゥクという。頂上部をリュウキュウマツに覆われた岩山状の小島で,大小2つの島からなり,最高点の標高は42m。大きい方をウブアトゥク(大アトク),小さい方をグマアトゥク(小アトク)といっている。西表島西部の方言でアトゥクはウミウのことである。北海岸の鳩離島,舟浮湾内のシカブソーヤ(アジサシ類がとまる岩の意味)などと同様に,鳥にちなむ命名とも思われる。アトク島は浦内川の河口が昔の大水で切れ,現在のような流れになった時に両岸から切り離されたと伝承されている。浦内御嶽のイビは大アトク島の頂上にあるとされている。海賊キッドがこの島に財宝を隠したといううわさで,大正期に宝探しのブームが起こり,そのときに全島くまなく掘り返され,島の頂上のくぼ地に生えていたフクギも切り倒されてしまった。このためこの島は宝島とも俗称される。アトク島は,浦内川河口の見事なマングローブ帯の景観にひときわ色を添えている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7239663