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あやこはま
【あやこはま】


「おもろさうし」に見える浜の名。与那原(よなばる)町辺りの浜の美称らしいが,詳細は不明。対語「しづこはま」の項参照。関連オモロは重複を除くと3首で,その1つ巻1-40,No.40には次のように謡われている。(前節略)又にるやゑか とりよわちへ(ニルヤの吉日を取りたまいて) かなやゑか とりよわちへ(カナヤの吉日を取りたまいて)又しよりもり うちあよで(首里杜へ打ち歩んで) またまもり うちあよで(真玉杜へ打ち歩んで)又かねのみうち まみやに(金の御内真庭に) くもこみうち まみやに(雲子御内真庭に)又あやこばま やひちへ(綾子浜に影向して) しつこばま やひちへ(しづこ浜に示現して)(後節略)これは,国王に霊力を授けることを「にるや」「かなや」という海の彼方の理想郷の名高い神に祈願した長いオモロの一部分である。「にるや」の神が吉日に首里杜の美しい御庭を指して歩み,綾子浜・しづこ浜に影向して,という意。綾子浜,対語のしづこ浜は,一説に知念村斎場(さいは)御嶽付近の海岸のことともいわれる(おもろ新釈)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7239696