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伊部川
【いぶがわ】


沖縄本島北部,伊部山に源を発し,国頭(くにがみ)村安田を東流して太平洋に注ぐ河川。方言ではインガーという。河川延長4.4km・流域面積3.21km(^2)。支流にカンダシチーガー(川名は方言で葛をカンダといい,流域に葛が多かったことによる),ケンヤマガー,シギマタガー(川名は杉を方言でシギといい,流域に杉が多かったことによる)がある。流域にミマタ(三又)というところがある。河口の沖積地に伊部集落が立地する。河口は,かつて沖縄本島中・南部へ林産物を出荷する山原(やんばる)船でにぎわった。明治29年鹿児島出身の事業家が,伊部に桃皮のエキス工場を設立し,約10年間操業したが閉鎖され,現在は4~5軒の寒村となっている(安田の今昔)。河口左岸にエーヤといわれる御嶽がある。乾隆59年(1794)朝鮮人10人が伊部干瀬に難破漂着し,国頭間切番所から王府へ問合書が送られている(国頭村史)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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