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宇良川
【うらがわ】


沖縄本島北部を流れる河川。方言ではウラガーという。与那覇(よなは)岳の北西に連なる牛首山に源を発し,国頭(くにがみ)村宇良の国頭山地に続く段丘丘陵を西流して東シナ海に注ぐ。河川延長4.6km・流域面積4.98km(^2)。最上流域の国頭村伊地地内ではエーマタガーと呼ばれ,流域には第2次大戦前まで藍瓶があった。その下流は昼間でも山深く暗いことからクラガー(暗川)といわれる。左岸から合流するアーシャーガーとの合流点をマタグチと呼ぶ。中流域にガンガングモイの淵がある。サーターヤー(製糖小屋)があった時代には,川にミジグルマ(水車)を設け,サトウキビを圧搾したという。飲料水・水浴・洗濯・芋洗いなどは一定の場で行われた。宇良では集落のある河口左岸をウンバーリ,右岸地域をトゥマイと呼ぶが(沖縄国頭の村落),トゥマイはあるいは「泊」で,往古は湊ではなかったか。戦前には上流の山中にヒネーギと呼ばれる小集落があって,現在シリーヌフルヤンチ・マチンクァヤマの地名が残る。そこはエーマタガーの地域に含まれ,藍を生業としていたと思われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7239968