100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

王樋川
【おうひがわ】


那覇(なは)市樋川1丁目1番地にある泉。方言ではオウヒージャーといい,「中山伝信録」などでは旺泉と見える。この辺りはかつての城岳(ぐすくだけ)の丘陵東側に当たり,泉名はかつてこの地が奥武山(おうのやま)・城岳とともに王農大親の所領であったことにちなむ。「琉球国志略」には中山八景の1つ城岳霊泉としている。水は甘冽で,冊封使録には首里城内の竜樋に次ぐと見える。古くから水量豊富であったが,乾隆25年(1760)の3月から4月にかけて数度の地震があり,そのため水脈が衰え,修理を加えたが,もとに復するには至らなかった。それでも戦前までは清水が流れていたが,沖縄戦で周辺に繁っていたリュウキュウマツが焼亡し,戦後伐採されたうえ,付近一帯が住宅地と化したため,水量は極めて少なくなっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240012