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大浦川
【おおうらがわ】


沖縄本島北部を流れる河川。多野岳を源流とし,名護市中央部を南流して東海岸の大浦湾に注ぐ。河川延長5.30km・流域面積9.76km(^2)。上流域は名護層,中・下流域は嘉陽層の地質分布が見られる。また,流域は沖縄本島北部の典型的な植物相が卓越する地域で,イタジイやリュウキュウマツを主とする薪炭・木材の生産地として知られ,大浦湾は与那原(よなばる)を市場とする山原(やんばる)船の寄港で第2次大戦後までにぎわった。近年は林業活動はほとんど消滅し,谷底や低位丘陵地に農地造成が行われ,サトウキビ・パイナップル栽培を主とする農業が中心となっている。かつてのような水田は今日ではほとんど見られなくなった。河口の大浦より中流域の大川を経て名護に至る山道も整備され,沿線一帯に農地化が進行している。河口付近にはマングローブの群落がある。昭和35年のチリ地震による津波の際には大浦湾に津波が襲来し,大浦集落一帯に相当の被害を与えた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240024