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大浦湾
【おおうらわん】


沖縄本島北部東海岸,西の辺野古崎と東の安部崎に囲まれた湾。方言ではウフラワンという。大浦川・ミジャ川・スギンダ川(杉田川)・テーマ川(汀間川)などの河川が注ぐ。サンゴ礁の発達が著しく,湾岸は白砂青松の景勝地であったが,昭和30年代前半からの辺野古崎一帯の米軍基地キャンプ・シュワーブの建設,主要地方道名護国頭線の拡張改修工事により景観が大きく変化している。湾岸は急峻な海崖が続き,昭和初期に至るまで陸上交通は不便で,当時は辺野古崎のナービグと称される海浜から対岸の大浦湾奥に位置する久志村瀬嵩(名護市)まで渡船が使用されていた。大正10年西海岸の名護湾沿いの名護町世冨慶(よふけ)より大浦湾奥の久志村二見・大浦を経て瀬嵩に至る郡道が開削され,昭和8年には東村川田から金武(きん)村金武(現金武町)までの道路の改修が行われた。第2次大戦中,湾の地形を利用して辺野古崎が特殊潜航艇の基地とされたが,米軍の空襲および艦砲射撃により基地は破壊された。戦後,米軍は鉄製浮桟橋を構築し,物資集積地とした。一方,大浦湾一帯は避難民の収容地となり,一時は瀬嵩に瀬嵩市,久志村辺野古にある辺野古崎には大浦崎市を形成したほどであった。現在,大浦湾は再び米軍海兵隊基地となり,辺野古崎には弾薬庫が設けられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240026