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沖縄
【おきなわ】


旧国名:琉球

(古代~近代)古琉球~現在の総称名。方言ではウチナーという。古くは沖縄本島を指していった。沖縄の語源については,那覇(なは)の崇元寺の南東にある浮縄御嶽に関する伝説がある。尚円王代(1470~76)に泊村の大安里が,この御嶽近くの川の岸に漁のための釣縄を置いたのが置縄となり,御嶽の名になり,島の名になったという。島袋源七は,この伝説を紹介して,沖縄は入江の内側にあるナバ(漁場)と解した(今帰仁を中心とした地名の一考察/南島論叢)。また,伊波普猷は沖のナバを語源とし(沖縄考),東恩納寛惇は「おき」は海端に対する海奥,「なは」は島を意味するナー・ニャーであるとした(南島風土記)。オキナワの初見は,宝亀10年の「唐大和上東征伝」に見える阿児奈波島だといわれる(同前)。同書は,鑑真大和上が日本に来島して示寂するまでの記録で,天平勝宝5年遣唐使一行とともに漂着した島を阿児奈波島と記している。阿児奈波島は多禰島(鹿児島県種子島)の西南にあり,彼らは14日間島にとどまり,益救島(鹿児島県屋久島)へ1日で着いたという。薩摩からの琉球国の高を定めた目録には,悪鬼納と見える。その後薩摩は,寛永6年の知行高目録などでは沖縄と記している。冊封使録では,陳侃「使琉球録」は方言のウチナーをとったといわれ,倭急拿と見え,「中山伝信録」は方言ウチニャーをとって屋其惹と見える。明治12年沖縄県が設置され,沖縄は琉球諸島全域を指す名となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240105