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嘉陽のキョー
【かようのきょー】


名護市嘉陽の集落東方約300mの海中にある嘉陽層の砂岩でできた岩礁。嘉陽のキョーは聖地で海の彼方から来訪するニライ・カナイの神がいったん降臨して滞在する場所で,その後集落内に至る。奄美大島(鹿児島県)の立神や,名護市辺野古の海中にあるトゥングァ,あるいは本部(もとぶ)町水納(みんな)島のケースなどと同じ意義をもつ聖地と考えられる。嘉陽ではもとは,旧暦4月に神女がキョーの島に渡り,南東の太平洋に面する海岸でアブシバレー(畦払い)の祈願を行ったが,現在では海岸から遥拝する。最近まで旧暦6月25日に五穀豊穣を祈願するカシチー,旧暦8月10日前後に行われる初御願の柴差,旧正月の初御願などがキョーで行われていた。現在キョーには祠がつくられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240281