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久茂地川
【くもじがわ】


那覇(なは)市西部を南流する河川。河川延長2.10km・流域面積3.25km(^2)の2級河川。安里1丁目の崇元寺橋下で安里川から分流し,前島1丁目と牧志2丁目,久茂地2丁目と牧志1丁目・久茂地3丁目の境界をなしたのち,久茂地1丁目の中央部,泉崎1丁目の西部を貫流して旭町の南西端で国場川下流の漫湖に注ぐ。那覇が浮島と呼ばれた時代には泊の入江から奥武山(おうのやま)の北まで海が入っていた。景泰3年(1452)長虹堤(ちようこうてい)が建築されてから土砂が堆積するようになり,海は次第に狭まり,最後に久茂地川となったが,この川は感潮河川で水流の方向も定まらず,むしろ運河と呼ぶに適した形で,交通の要路にもなっていた。現在は運河として利用されることもなく,周辺が市街地化したため,水質は汚濁している。河口付近は大正期に埋立てが進んだ。上流から仲吉橋・美栄橋・十貫瀬橋・久茂地橋・久美橋・御成橋・甲辰橋・泉崎橋・旭橋が架かっている。かつて河口付近には月見橋と呼ばれる木橋があった。月夜の眺望のよい所として知られていたが,昭和10年代後半から幽霊の噂がたち,夜間は往来が絶えていった。そののち次第に腐朽し,修築されないまま沖縄戦で壊滅,復旧されることなく現在に至っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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