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こはしま
【こはしま】


「おもろさうし」に見える島名。原注に「久高・津堅しまの事也」とあり,「混効験集」にも「久高・津堅両島の名也」とあって,久高島の別称と考えられてきた。しかし,慶良間諸島のうち座間味島の南西にある久場(くば)島のことと考えられる。八重山古謡「浦船じらば」に「また前まありぃ 拝まり島や どぅぎゃぬふん(また前に回って,拝まれる島は,どこの国です)/くりどぅくり 前慶良間 くぼうぬ嶽で(これがこれ,前慶良間,クボウノ嶽)」とある(ジラバ17/歌謡大成Ⅳ)。この「クボウノ嶽」は,オモロの「こはしま」の御嶽のこと,と考えられる。「こはしま」は蒲葵の生え茂る島の意で,「こはもり(蒲葵杜)」とともに沖縄には多い地名である。久高島にも有名なコバウノ森(由来記)のあることによる,原注であろう。この「こはしま」を久場島とすると,対語「つれしま」もこれまで津堅島とされてきたが,慶良間(けらま)諸島のことと考えられる。巻13-24,No.769の1首のみに謡われている。オモロ例は「つれしま」の項を参照。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240590