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小浜島
【こはまじま】


石垣島の西方海上約11kmに位置する島。八重山諸島の1島。方言ではクバマ・クママまたはクモマともいう。竹富(たけとみ)町小浜に属する。「指南広義」には烏巴麻と見え,「中山伝信録」には「烏巴麻二島,訳して宇波間と曰ふ」とある。またベルチャーの「サマラン号の航海記」ではコバマ(Kobama)と見える。面積8.14km(^2)・周囲16.57km。島の地形は,島で最も高い大岳(99.4m)を中心として広がる北部の丘陵地,南東に広がる東表の丘陵地,イシスクムルを中心として広がる南西の丘陵地があり,東側と西側にトゥマール浜・カタウレー(潟原)の入江がある。北側の海岸はほとんど深成岩で,防波の盾となっているのに対し,南側は砂浜が続く。島には舟崎・東表・ビルマ・細崎・アカヤの岬があり,海岸線を縁どっている。植生は西表島と類似している。地下水が豊富なため古くから良田が多い。広々とした丘陵地に広がる畑地にはサトウキビが植え付けられている。集落は大岳を背に島のほぼ中央部の高台に位置する。現在の位置に村落をまとめた人は小浜目差加武多で,小浜家の板証文書には「小浜村之儀方々家内有之候処右目差壱所村定候段伝承候」と見えるが,年代については未詳。古くから伝わる「小浜節」は風光明媚な島の自然とその恩恵をたたえた民謡で,島の人々の心の支えとなっている(八重山島歌節寄21/歌謡大成Ⅳ)。昭和54年島の南部にリゾート施設が造られ,年々観光客が増加している。他島との交通は船便のみで,石垣島石垣港や西表島大原港との間に定期便がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240593