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後良川
【しいらがわ】


西表(いりおもて)島東部を流れる河川。方言ではシーラカーラという。河川延長4.80km・流域面積6.98km(^2)。古見(こみ)岳の南に水源をもち,竹富(たけとみ)町古見の東部を南東流し,古見集落の北で海に注ぐ。方言でシーは後ろの意味,ラは西表島の川名に見られる普通の語尾であるから,河川名は古見の後側の川という意味であろうと考えられ,古見集落の南側を流れる前良(まいら)川と対になっている。「八重山嶋由来記」には勢良川と見える(竹原家文書)。河口付近はすぐ北に開口している相良(あいら)川のマングローブ帯とつながって24haに及ぶマングローブ帯が広がる。河口の東方400mの海中にはミユシクおよびピニシと呼ばれる2つの小島がある。ピニシには平西貝塚という外耳土器文化に属する遺跡が存在し,県史跡に指定されている。またすぐ北側にはフカーリカーラと呼ばれる支流があり,昭和58年版の河川管内図には後良川(北沢)と見える。後良川は石垣島の宮良(みやら)川などと並んで,八重山でも最も古く橋が架けられた川の1つである。康煕54年(1715)に延べ3,000人以上の人夫を使って,長さ3町11間(約347m)に及ぶ橋が架けられ(八重山嶋由来記/竹原家文書),ウフユダ(大枝)橋と名付けられた。橋の南側には建造の由来を刻んだ石碑がたてられていたという。現在は昭和48年に竣工した後良橋が架かっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240667