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しづこはま
【しずこはま】


「おもろさうし」に見える浜の名。「しつこばま」の表記もある。固有名詞ではなく,浜の美称らしいが,与那原(よなばる)町辺りの浜を指すとも,また知念村にある斎場(さいは)御嶽付近の海岸を指すともいわれる。オモロでは王府儀式にかかわりの深い浜として見える。対語は「あやこはま」。関連オモロは2首で,その1つ巻10-1,No.511には次のように謡われている。一大ぬしぎや 天とゝろ するやに(大主が天轟ろ為る様に) ゑけ せぢまさて ちよわれ(ヱケ&#x!; 霊力勝っておわしませ)又大ぬしぎや あめとゞろ するやに(大主が天轟ろ為る様に)又大ぬしぎや あやこはま するやに(大主が綾子浜為る様に)又大ぬしきや しづこはま するやに(大主がしづこ浜為る様に)又大ぬしぎや まはへあなに ちよわちへ(大主が真南風穴に来たまいて)又大ぬし(ぎや)とりのもり ちよわちへ(大主が鳥の杜に来たまいて)又大ぬしぎや 国まわり しよわちへ(大主が国廻り為たまいて)「大ぬし」は原注に「首里天かなし美御前の御事」とあり,ここでは国王のこと。国王の国廻り(聖地への行幸)が天地も震動するようにあれと,国王の威力の優れたことを祈願・讃美したものである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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