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州南諸島
【しゅうなんしょとう】


南西諸島の古語。明治中期の一時期に使用された。九州の南にある島々という意味で,明治政府の海軍省を中心に命名されたものと思われる。明治16年の「本邦海岸区名称」の制定により,明治19年発行「寰瀛水路誌」にこの名称があるが,同21年の海図では南西諸島に改名されている。なお水路誌では,明治27年「日本水路誌」から南西諸島に改名されて以降,全く使用されていない。なぜ州南諸島から南西諸島に変更したかは明らかではないが,明治18年の大東島の日本国沖縄県編入がその契機かと思われる。大東諸島は沖縄本島の那覇(なは)港から海路約400kmにあり,南大東島・北大東島・沖大東島からなる諸島で,九州の南から少々ずれるために,これを明確にするために改名されたと考えられる。州南諸島の名称は,一般に流布することはまれであったが,田代安定の「八重山嶋取調始末内篇」や岩崎卓爾の「ひるぎの一葉」にこの名称が見いだされる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240740