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白比川
【しらひがわ】


沖縄本島中部,沖縄市南部に源を発し,北谷(ちやたん)町南部で東シナ海に注ぐ河川。方言ではシルヒジャーまたはシラヒージャーという。河川延長5.0km・流域面積8.27km(^2)で,下流から2.30kmが2級河川に指定されている。瑞慶覧(ずけらん)川・池城川・北谷川ともいう。沖縄市諸見里(もろみざと)の丘陵を源として西に流れ,沖縄市・北中城(きたなかぐすく)村の境界をなして北谷町に入り,同町吉原の南縁を西流して北谷・桑江の境界で東シナ海に注ぐ。中流で支流佐阿良川を合わせる。中流右岸には北谷町の市街地が立地する。下流域,特に河口左岸はチャタンターブックヮ(北谷田圃)に続く水田地帯が広がっていた。河口から約500m上流の左岸,標高約45mの石灰岩の丘には北谷城跡がある。河口から250m地点に架かる白比橋は,昔池城橋または城橋と呼ばれ(北谷村誌),宜野湾(ぎのわん)方面から池城橋を渡るとすぐ北に北谷トンネルがあった。第2次大戦後に米軍が鉄筋コンクリート橋に架け替えたが,それ以前はアーチ型の石積み橋で,古くから交通上の要衝であった。「球陽」には道光元年(1821)に従来の松板の橋を石橋に架け替えたと記されている(尚灝王18年条)。現在の橋は昭和50年3月に架け替えられたもので,国道58号が4車線で通過する。戦前はさらに河口よりに県営鉄道専用の橋が架かっていた。また,口承によれば往古白比川には港があって,グスク時代から近世以降の山原(やんばる)船の海運時代にも重要な働きをした河川であったという。なお,現在は生活排水や基地からの汚水流入が問題となっており,住民運動として白比川の自然を残す会が結成され,川の蘇生を図って活動を続けている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240801