100辞書・辞典一括検索

JLogos

25

竹富島
【たけとみじま】


石垣島の南西海上約6kmにある島。八重山諸島の1島。竹富町に属し,1島1字を構成する。竹富島の方言でテードゥン,石垣島の方言でタキドゥンと呼ぶ。島名は,初めて渡来した酋長タガニドゥンの名前に由来し,タキネトノ,タキトノ,タキドゥンと変化して現在のテードゥンになったと伝えられている(竹富島誌)。「指南広義」「中山伝信録」には達奇度奴,「南島志」には堂計止美と記されている。武富の字をあてた古記録もある。またゴーヴィルの「琉球覚書」にはタキトゥノン(Ta-ki-tou-non)と見える。ベルチャーの「サマラン号の航海記」に見えるタキタホ(Takitaho)は竹富島を指すか。隆起サンゴの石灰岩からなる島で,面積5.41km(^2)・周囲9.15km・最高標高20.5m。大きなサンゴ礁に取り囲まれており,乾隆36年(1771)の明和の大津波の時にも人命の被害を免れた。島のほぼ中央部に集落が立地し,付近にあるわずかに小高い地点はンブフルと呼ばれ,牛が一夜でこの丘を築いたという伝説がある。島内に28もの拝所があり,種子取祭などの民俗芸能が盛んである。古くは西表島まで通って稲作を行い,由布(ゆぶ)島の小屋に泊まったりした。表流河川の発達は乏しく,現在は,石垣島からの海底送水が昭和51年実現したが,稲作は行われていない。高年者が多いが機織が盛んであり,養蚕の復活や,肉牛の放牧などの事業も行われている。産業の中心は観光関連産業で,石垣島から最も近く,定期船も至便なため,シーズンを中心に年間約10万人が訪れる。上勢頭亨が生涯をかけて蒐集した民俗資料を納めた喜宝院蒐集館がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240955