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渡嘉敷島
【とかしきじま】


沖縄本島那覇(なは)市の西方海上約32kmに位置する島。慶良間(けらま)諸島の1島。慶良間諸島中最大の島で,村役場の位置はおよそ北緯26°12′,東経127°22′。面積15.64km(^2)・周囲28.33km・幅2km・長さ9kmの南北に細長い島で,慶良間諸島の東半分であるメーキラマ(前慶良間)に属す。「おもろさうし」には「とかしき」と見える。山がちで最高点は北部の赤間山の標高227.3m。渡嘉敷村の主島で村の全面積の82%を占め,渡嘉敷・阿波連(あはれん)の2字で構成される。全般的に平地に乏しい。北部の渡嘉敷には小河川があって水量も豊富なため慶良間諸島のほかの島では近年畑にかわってしまった水田がわずかながらまだ見られる。しかし山は海に迫り,急崖をなすところが少なくない。耕地は全面積の0.7%にすぎず,専業農家はわずか8戸である。渡嘉敷島民は座間味島民とともに王府時代には航海に長じ,官船の水夫として活躍した。今でも船乗りが少なくない。山地にはリュウキュウマツやクバ(ビロウ)・シイ・カシなどの広葉樹林が繁茂する。山中には御嶽が点在し,その大部分は海の安全を祈願する拝所である。集落は,北部の渡嘉敷に渡嘉敷・渡嘉志久の2集落,南部の阿波連に阿波連集落がある。港のある渡嘉敷集落は島の中心で,村営の第一けらま丸が就航し,那覇港泊埠頭の間を約1時間で結ぶ。座間味島との間の慶良間海峡に面する海岸には,白砂の海浜が所々に発達し,集落の前浜である阿波連ビーチや渡嘉志久ビーチは海水浴客でにぎわう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241133