100辞書・辞典一括検索

JLogos

17

轟川
【とどろきがわ】


石垣島南東部を流れる河川。方言ではトゥドゥルキカーラというが,地元の石垣市白保ではシトゥルトゥカーラと呼ぶ。河川延長4.89km・流域面積12.42km(^2)。「八重山語彙」に「流路長からざれども巉巌突兀激奔して雷鳴を絶たず」と記し,名称の由来とされる。宮良台地北方を刻む浅い谷に源を発し,白保の中央部,石垣市盛山南端を南東流して白保の集落の北方約2.5kmで東海岸に注ぐ。上流から中流域にかけての沖積低地では稲作が行われ,周辺の第三紀宮良層礫岩の台地ではパイナップル・サトウキビなどが栽培されている。流域は琉球石灰岩が発達しており,中流域ではその中からシカの化石が発見されている。河口北方の海岸は南北約3kmに及ぶ砂浜で,南からトゥドゥルキヌ浜・ピサパナリヌ浜・ウヤギバル浜と呼ばれる。河口から沖合い約700mには堡礁が発達し,石東礁湖と呼ばれており,新石垣空港建設の埋立予定地となっている。河口から上流約700mに轟橋が架けられ,国道390号が通る。轟橋の北西方約700mの標高約20mの台地には,乾隆50年(1785)に石垣島南西端の富崎村が移転して村立てした盛山村があったが,マラリアの流行で人口が激減し,大正6年に廃村となった。現在は字名のみが残っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241146