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南西諸島
【なんせいしょとう】


九州から台湾の間にある島々からなる諸島。鹿児島県大隅半島以南と沖縄県の全域を含む。大隅諸島・吐噶喇(とから)列島・奄美(あまみ)諸島からなる鹿児島県域の薩南諸島と,沖縄諸島と先島諸島からなる沖縄県域の琉球諸島で構成される。面積0.01km(^2)以上の島数は199(薩南諸島38・琉球諸島161)。明治20年頃水路部を中心に命名した官製地名と考えられ,同21年発行の海図224号「石垣泊地」にこの名称が認められる。同27年に発行された「日本水路誌」から使われ,それ以後の海図や水路誌に記載されて定着した名称である。それ以前は,明治6年の「南島水路志」には南島,同19年の「寰瀛水路誌」には州南諸島と見える。なお,この南西諸島の名称は水路部の命名によるためか,第2次大戦まで一般に伝聞されることがまれであった。地理学などの用語としても認められず,昭和47年の復帰後に至っても,県内ではこの名称はほとんど使用されていない。しかし沖縄戦後の琉球政府時代には,公文書上には使用例が少なからず見受けられる。南西諸島の名称は行政上の名称の性格をもつもので,学術用語では南西諸島の大半は琉球列島あるいは琉球弧と同義となる。なお,その場合,大東・尖閣(せんかく)両諸島は琉球列島には含めず,したがって南西諸島は琉球列島と大東・尖閣両諸島からなるといえる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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